ベルリンの冷戦時代、バッハBWV82

現代は様々な情報を入手する手段があって、行ったことのない街のことでも分かったりします。しかし、百聞は一見にしかずってこうゆうことをいうのかなあと思っているのが、昔ベルリンに行った時、ハンス・シャロウン設計のベルリンフィルハーモニーを見学した時です。この時はクラシック音楽には全く興味がなくて、ただ有機的で流れるような空間を作るシャロウンを目に収めたかったのです。

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ベルリンフィルポツダム広場のすぐ近くにありました。その頃はもうベルリンの壁は無かったけれど、よく考えるとすぐ近くにベルリンの壁がかつて走っていた訳です。こんな壁のすぐそばでベルリンフィルは夜な夜なコンサートを開き、聴衆は酔いしれていたのかあ。冷戦の切迫感は歴史的な事実としてしか捉えていなかったのですが、いきなり自分の肌で分かるような感覚がしました。
しかしながら、ワインヤード状になったホワイエ空間を朗らかにステップを踏みながら歩いている時にこうも思いました。旧東ドイツのなかの西ベルリンは西側陣営のプライドを見せる場所、ひらたく言えば見栄を張る場所なんじゃないか。だからベルリンの壁の近くにフィルハーモニーをおいて、東側に西側最高の芸術をアピールする。ライトアップされたサーカス小屋のように壁の向こうから良く見える。
ふとこんなことを思ったのはNHKスペシャルの「新・映像の世紀」の冷戦時代の映像を見ていたので。。。
 
今日はカラヤンサーカスとは全然関係なくて、バッハを聴いておりました。おろしそばか唐揚げ定食かでいうと、今日はおろしそばな気分。我が心の道標バッハのBWV82のアリアから。このアリア落ち着きます。私にとってバッハのアリアは精神安定剤なのです。
 
動画を貼っておこう。


15.Bach:"Schlummert ein, ihr matten Augen"BWV 82; Angelika Kirchschlager;Freiburger Barockorchester