ベートーベン〜ピアノ三重奏曲大公

かぜひいて寝込む。こんなときでも音楽はきく。がつんと響く交響曲はちょっとしんどい。バーンスタインマーラーのライブ盤を手に入れたんだけど、マーラーはむり。9番なんて奈落に落ちていきそうでむり無理。室内楽にする。ベートーベンのピアノ三重奏曲第7番大公を聴いておりました。私の好きな小説、海辺のカフカで印象的に描写されていた音楽。これも春を連想させる曲調かな。平和な調べ。1814年4月11日、ピアノはベートーベン自ら演奏で初演されたとな。でも、演奏会はうまくいかず、ベートーベンが演奏会でピアノを弾いた最後になってしなったんだそうな。

ベートーヴェン:大公トリオ / シューベルト:ピアノ三重奏曲第1番

ベートーヴェン:大公トリオ / シューベルト:ピアノ三重奏曲第1番

盤は、ピアノ:ルービンシュタイン、バヨリン:ハイフェッツ、チェロ:フォイアマン。1941年ハリウッド。第1楽章冒頭の旋律は平和すぎて脱力してしまいます。ルービンシュタインのピアノはとろけそうな音色。第3楽章は一番好きな楽章。平和な曲調であるものの、なんだか深い。1日ようやく過ぎ去ってしんみりする時があるけれど、この旋律はそんな感じがする。第4楽章、他の演奏で聴くとあまりすきな楽章じゃないけど、この盤はなんだかすごい。この楽章があるために1941年録音のこの盤が不滅となっているんじゃないか。ルービンシュタインハイフェッツの火花がぱちぱちと見える。攻めるルービンシュタインのピアノ。これは本当に室内楽なんかいな。ジャズのセッション、インタープレイみたいだ。ルービンシュタインは崩しにかかろうとしている。ハイフェッツも最大戦速で応戦している。でも、しばらく聴いていたらこんな気がしてきた。ルービンシュタインは「早く録音なんか終わってワイン飲みにいきたいよ」って思っているだけであり、ハイフェッツは「ベートーベンに恥ずかしくない録音をしないと許さんぞ」と思っているだけなんじゃないかと。
動画は第1楽章にしました。

で、
私の好きな小説海辺のカフカが舞台化されるそうな。小説を読んだ人にしか分からないネタで恐縮ですが、舞台化の成功は、佐伯サンとかナカタさんとかのキャスティングにかかっていると思うのですよ。で、重要人物の佐伯サンのキャストが田中裕子。そうきたのか。予想以上です。はい。