バッハ〜ミサ曲ロ短調
久しぶりにザ・シンフォニーホールでライブを聴いた。
トン・コープマン指揮、アムステルダム・バロック管弦楽団&合唱団のバッハ・ミサ曲ロ短調だ。
古楽界の御大が、手兵を率いて大阪に来るということで、これはいかねばと馳せ参じた。それにしても、一般的に、なんで「手兵」という表現をよく使うのだろう、戦じゃないんだから、自ら設立した楽団でいいかと思う。
シンフォニーの森を抜けて、ホールに向かう。
シンフォニーの森は台風21号で倒壊した木はなさそうだ。メインの道は人が通れるようになっているけれど、両脇のベンチのあるところはちぎれた木やなんやかんやが散乱していて、人は立ち入れない。
ミサ曲ロ短調は、バッハの最高傑作のひとつとされる。同じく最高傑作とされるマタイ受難曲と比べると、ストーリー性がわかりやすいマタイと比べると、とっつきにくく、私もたまにしか聴いていなかった。
ライブがはねた後の結論からいうと、良かった。行って良かった。ちょ〜良かったということになる。
古楽器の弦楽器の響きは、シンフォニーホールの音響も相まって絶妙だった。
ソプラノ・ヴォイスもこのシンフォニーホールの音響とのシナジー効果でわし掴みにされるレベルだった。
演奏が始まり、最初のキリエのところでは、あれれと思ったところがあったが、キリエが終わる頃には、フルスロットル・フルパワーの演奏になっていた。
演奏は透明感があり、パワフルだ。今聴いている演奏がこれまでマタイや管弦組曲をよく聞いていたコープマン&アムステルダム・バロックの生演奏と考えると感慨深い。
バッハの宗教曲はアリアや2重唱が愛らしく、ミサ曲ロ短調もそれはそれは愛らしいのだが、私がこの日こころにツキササッタのは、合唱曲だ。ラテン語表記でアレだが、第1曲Kyrieから始まり、Gratias、最後の方のSanctusなど。合唱が迫力満点で神々しかった。残響時間2秒のザ・シンフォニーホールでこれだけ、神々しいのだから、石造の教会でやったら、どこまで神の世界になってしまうのか。
ライブがはねて、台風の傷跡が残る雨のシンフォニーの森を抜けて帰った。これだけ満ち足りた気持ちで帰るコンサートも久しぶりだなと思った。
動画はトン・コープマンと手兵じゃなくてかれが設立した楽団のもの。のミサ曲ロ短調じゃなくて、カンタータ140番。まあ、とっつきやすいので。
J. S. Bach - Kantate "Wachet auf, ruft uns die Stimme", BWV 140 (Ton Koopman)
最近は、惰性でクラ音楽を聴いていた雰囲気もあったが、忘れていた頃にこんなライヴを体験する。だからクラ音楽聴きはやめられないなと思った次第。
シューベルト〜交響曲第5番
今週はシューベルトの交響曲第5番を聴いていることが多かった。
- アーティスト: コロンビア交響楽団,シューベルト,ワルター(ブルーノ)
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
- 発売日: 1999/02/20
- メディア: CD
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
ワルター指揮、コロンビア響の演奏で。
何と言っても第1楽章冒頭の爽やかさが好きで、
今時の暑さとは無縁の春の爽やかな風に当たったような音楽だ。
そんなことを考えていたら、足元を涼風が吹きぬけた。
なんて、この曲とマッチした絶妙な状況だと思い、気分が高揚した。
横をみると青い目のような光が点灯している。
。。。
よく考えてみると、近頃のエアコンはセンサーアイなるものが付いている。
私の位置を捉えらて、風を送りつけていただけであった。
動画を貼っておこう。。。
Schubert: Symphony No. 5, Walter & ColumbiaSO (1960) シューベルト 交響曲第5番 ワルター
音響設計
コンサートホール 株式会社 永田音響設計 -NAGATA ACOUSTICS-
コンサートホールの実績を見ていたのだけど、錚々たるラインナップに改めて驚いた。
帝国。音響の帝国だ。
ヘルツォーク&ド・ムーロンが設計したハンブルグのエルプフィルハーモニー、フランク・ゲーリーが設計したベルリンのピエール・ブーレーズ・ザール。同じ設計者のロスのディズニーコンサートホール。ジャン・ヌーベル設計のパリ・フィルハーモニー。我らが伊東豊雄さんの台中メトロポリタン・オペラハウスも。
そういえば、ジャン・ヌーベルがやったパリのアラブ研究センターを見た時、かっちょよさに悶絶したなあ。現代最強の建築家のひとりでもあるヘルツォーク&ド・ムーロン設計のプラダ南青山も面白かった。フランク・ゲーリーはその昔は神戸で魚のオブジェを作っている人ぐらいにしか思っていなかったけど、いつの間にかまともな建築を作るようになって(まともじゃないという意見もあるでしょうが)大家になりました。もし、ザハ・ハディドが生きていたら、この人らとわいわいと派手にやりあっていたでしょうね。
話が逸れてしまった。
国内でいうと、クラヲタ聖地のサントリーホール。ヲタにとってはもはや説明不要のホールですね。
そういえば、クリスマスイブイブ にBCJのコンサートでヘンデル作曲のメサイヤを聞いたことがある。最初に行った時は販売されている飲み物がサントリーだったので印象に残った。後で考えたら、サントリーがやってるホールだから、サントリーが出てくるのは当然だな。
大阪っこにとっては、フェスティバルホール。
新生フェスティバルホールができてから5年。
すっかり、板についてきました。
当時、なんでフェニーチェ?と思ったが。
今、考えると水の都つながり?あっ、そうか。
それから、行動範囲内にあって、時々行くのは西宮の兵庫県立芸術文化センター。
梅田から阪急特急で10分で行けるので、便利。
阪神淡路大震災復興のために作られたセンターですね。
ここのホールは響きを抑えているような印象あり。
監督は佐渡やん。
印象に残っているのは、やはり我らが佐渡やんが振ったオペラですかねえ。
一番好きなのは、バーンスタイン作曲のキャンディードだったけど、過去記事見当たらないので、ヨハン・シュトラウスのこうもり。。。
小ホールにも行った。
アン・サリーさんのライブ。これも良かった。
とまあ、永田音響設計さんにはいろんなところでお世話になっているなあと思った1日でありました。
今日、聴いた曲。シューベルトピアノソナタ第21番(ケンプ)。
ヨドバシ梅田のハーベス・スピーカー視聴会で、中島みゆきカバー、チャイコフスキー・ヴァイオリン協奏曲(チョン・キョンファ)など。
モーツァルト〜ピアノ協奏曲第23番
盆休みの間に映画を見た。
スターリンの死後、ベリアが失脚し、フルシチョフが権力を握る過程は興味があったので、まるで私のために作ってくれた映画なんじゃないかと思い、足を運んだ。
あと、独ソ戦(ロシア側から見れば大祖国戦争)の英雄 、ジューコフ・ゲオルギー元帥が重要な役割を果たすのも興味深く見入った。
ベルリンを陥落させた英雄も、ベリア追い落としに失敗すれば、命はないわけで、この時代のソビエトは、のるかそるか感がハンパない。
高みを目指すものが、戦いあうのは構わんとして、粛清がひどかった1937〜38年頃は、職業軍人、一般人も関係なしで密告に怯えながら暮らした。秘密警察に捕まると、拷問の末にスパイであることを自白させられ、強制収用所送りまたは処刑だ。
インクレディブルでインポッシブルな社会。
ショスタコービッチとかよく生き残ったなと思う。
映画の冒頭はコンサートのシーン、美貌のピアニストがモーツアルトの協奏曲を弾くシーンがある。
ショスタコの同級生のピアニスト、マリア・ユーディナが弾くピアノ協奏曲第23番。
スターリンがファンだったピアニスト。
このコンチェルトは録音されスターリンに届けられたという。
(指揮者がびびって、なかなか決まらなかったようだが)
だが、しかし、マリア・ユーディナは気骨の人で、スターリンを嫌っていた。
動画サイトにマリア・ユーディナの23番があるので聴いてみる。
第1楽章はどしどしと一音一音が力づよい。
第2楽章はぐっと心の中に入り込んでくる。
なかなかいいなあと思った。
Mozart. Piano Concerto № 23 in A Major, performed by Maria Yudina (1943)
ヘンデル〜王宮の花火の音楽
先日、淀川に花火を見に行った。
昨年に引き続き会場から少し離れた中津の河川敷にじんどり、
横から遠くから見た。
花火越しに見ると、いつものことだが、弾幕の中を電車が疾走する様に見える。
花火打ち上げの時間は、伊丹空港に飛行機ががんがん降りてくる。
進行方向左側の窓側席に座ることができれば。花火がきれいに見えるだろう。
例年、神戸の花火も淀川と同じ日なので、淀川も神戸も同時に見えるかもしれない。
後日、テレビに録画していたこの花火大会を見たのだが、
メイン会場では、音楽が流れているようだ。
オープニングはカルメン序曲、
途中でベートーベンの交響曲第5番第1楽章、
その他、安室ちゃんなどのポップス、ララランドのオープニングなどなど。
フィナーレはエルガー威風堂々。
ベートーベンは全然合っていなかったような気がする。
花火にBGMとかいらないけど、
あるとするなら、ポップスの方が合うような気がする。
少し寂しげな曲もいいかもしれない。
とか、いろいろ考えていたら、
くら的には花火はこれっという曲があったなあと。
ヘンデルのロイヤル・ファイアワークス。
これはまさに、権力絶頂の王が、花火打ち上げて、威風堂々という感じですね。
ライカM4であれこれ撮る
春から梅雨にかけて、撮ったフィルムをやっと現像に出した。
グランフロント大阪の巨大オブジェ。
そういえば、グランフロント2期の事業者がこの間決まった。
大阪駅真横に出現する、巨大なセントラルパーク。
このぐらいの緑地では、
素直に喜ぶとしましょう、
都市に緑はあったほうが良い。
京都嵐山。GWの頃。
古代には大陸からの移住者の秦氏が住んでいたという。
都が山城の方に来てからは、風光明媚な土地で貴族がハイキングしていたそうな。
月見の名所でもあり、そういえば桂離宮も一駅離れたところにあるなあ。
フクロウカフェ発見!
ワシミミズクがまったりとしている。
ミミズクの視線の先にツバメが飛び回っていたけど、ミミズクが恐くないんか。
ぼーっと歩いていたら、野宮神社に来た。
源氏物語に出てくるという、古くからある神社。
意外とこじんまりした神社だった。
これも野宮神社で、苔をみるとなぜか撮りたくなる症状。
インスタゾーンの竹林はこんな風に浴衣を着て撮るのだなあ。
みなさん楽しそうな顔をしているのがなにより。
ピント目測、露出テキトーで撮った。
ライカはやっぱり速写だなあ。
Lマウントレンズのズミクロンは撮影最短距離1メートルなので、花を撮るのは難しいがなんとか頑張って撮る。
頑張って撮る。
ボケを見たかった一枚。
山田守〜京都タワー
ここからのアングルは結構お気に入りです。
建設当時は一大景観論争を巻き起こした京都タワー。
京都駅ビルのときも景観論争はあったけど、京都タワー建設のときは司馬遼太郎、川端康成、土門拳、建築界の御大である丹下健三まで古都にふさわしくないと批判していたという。(TV情報)
それは、きついな〜。
でも出来上がって、今になって、その姿はすっかり、京都の玄関に馴染んだような気がする。
私にとっては、びわ湖でワーグナーのオペラを見た後に、京都タワーを仰ぎ見、ラーメンを食べるのが定番。
最近、京都タワーいいなと思った。去年北丹後から鈍行を乗り継いで京都盆地までたどり着いたとき、夜の12時ぐらいの時間だった。
京都の街は高い建物が少なく、しかも深夜で街の灯りもおとなしい。遠く京都タワーが見えたとき、小さくゆらめくろうそくの様に見えて、これは趣があるなあと。
そして、帰って来た〜という思いを強くした。(京都人じゃないけど)
山田守はこうゆうストーリーをつくりたかったんじゃないかな。
そう思ったのでした。