バッハ〜ヨハネ受難曲


大フィルの定期公演へ。ヘルムート・ヴィンシャーマンさん指揮のヨハネ受難曲行って来ました。マタイと並び称されるこの曲、実は聴いたことなかったのですが、私にとってのアイドル、セバスチャン・バッハの代表的な宗教曲であるし、たぶん楽しめるだろうと出かけました。

やっぱりというか、予想通りというか。ヨハネもいい曲だった。合唱の分厚い受難曲。バスと合唱の漫才・・、失礼、かけ合いがあったりして新鮮だった(第48曲)。アリアはアルトが受難を嘆き聴かせる。合唱は、マタイかカンタータで聴いた旋律も出てくるが、より合唱がひっぱるひっぱる盛り上げる感じがする。第52曲のコーラル。「主キリストよ あなたは なんと優しく命をなげうって死におもむかれたことでしょう。」不覚にも目頭が・・・

大フィル、いつもの大編成で思い切り重心の低い音じゃなくて、小編成できびきびと演奏しているのは、新鮮な感じだ。ヴァイオリンとチェロの音色がいつもと違ったんで、弦を変えているんだろうか。ヴィンシャーマンさんの指揮はとても勢力的。92歳とは思えない体力。創りだす音楽は暖かく澄んでいた。これは、年齢の積み重ねがなせる境地なんだろうか。文楽とかでは、60歳からが勝負とかいうし、年輪を経て見えてくるものがあるんだろうか。

素晴らしい演奏だったけど、惜しむらくは観客のフライングブラボー。いつもはしゃーないやっちゃなーですますが、今日ばかりは我慢が出来ず。アリア後bravo!コーラル後bravo!連発で集中力が途切れるったらありゃしない。これは受難曲で余韻がとても大事な曲なのに、それだけが残念。

動画は、リヒターはんヨハネ。第48曲から、僕が不覚にもなにした第52曲です。