京都、ダリ展、ロームシアター京都

久々に京都の街を歩いた。その日はとても暑く、クソ暑く、目の前に見える建物もバターのように溶けそうだ。自分の体も溶けそうだ。目の前に見える時計も溶け出してぐにゃと曲がって見える。そうだ今日はダリ展を見に来たんだった。

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ダリの若い頃の絵は印象派ぽいものがあったり、キュビズムぽいものがあったり、いろいろと彼も吸収していたのだなあ(上から目線)。しかし、我が道を確立してからのダリはまさに唯一無二の存在になりました。シュールな世界になってからの作品をたくさん見たけど、わたしは展覧会にはなかった「ポルト・リガドの聖母」が好きなだあということにこのとき気づいた。聖母子像が好きになるとは自分の嗜好が古典的なものに行っているのだろうか。
この絵です。福岡にあるのか・・・

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さて、空調の効いた美術館を出ると、至近のロームシアター京都に向かう。ここは以前は京都会館と言われて、京都のクラヲタの聖地だったところだ。日本の近代建築の巨匠、前川國男の設計である。前川國男といえば東京のクラヲタの聖地東京文化会館も設計していて、なんともクラヲタ率の高い建築家だ。そしてコルビュジェの弟子でもある。
 

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この時代のモダニズム建築の名作って見ていてズシンとくる。

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このコンクリートの量感がたまらない。

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それにこの時代の建物はプロポーションをいかに美しくするかに細心の注意を払っている。最近街中にできる小洒落た施設にいってもふーんと思うだけだし、建築形態のプロポーションというよりはグラフィック的な面白さに注力しているように思える。(ぐちってしまいましたわ。)

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京都会館は近頃改修されて非常に綺麗になった。蔦屋書店が入り、京都モダンテラスという上質なカフェ・レストランが出来た。

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京都モダンテラスのインテリアは、既存のモダニズム建築の美味しいところを生かしつつ、木質にまとめられている。木の細いルーバーごしに平安神宮や東山を望むのは京都らしい体験になると思う。ただ、ここは少々値段はお高いとおもう。観光で訪れるのによいかとおもう。
 
ここのオペラの演目を見ていたが、ゲルギーがオネーギンをやるらしい。もちょっと丁寧にいうと、ゲルギエフ指揮でチャイコフスキーのオペラ「エフゲニー・オネーギン」を演るらしい。ストーリーが覆水盆に返らずのあれです。いろんな不倫ネタが毎日報道される21世紀の日本からみたら、もうたわいもない話に思えてしまう。しかし、ながらチケット代が高いのでやめておこうかと思う。
 
京都は大阪から近いのであるが、いけば街の雰囲気はぜんぜん違う。緑は多いし、神社・仏閣も多い。なので、近場で旅行気分が味わえるのがよいです。

 

梅田はビルばかり

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高層ビルの上から梅田の街を眺める。高いところに登って街を見下ろすのはいい。見慣れた街でもなかなかに良い。このくそ暑い中でもたくさんの人が活動している。お疲れさまです。最近竣工したビルなんかは、小洒落た屋上庭園があるため、ビルの屋上でも人々が居る様子が見える。

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ファイブの赤い観覧車は梅田のランドマークとして定着した。その左に見えるガラス張りの高層ビルは、来年開校の大学キャンパス。開校したら、茶屋町あたりはますます若者で溢れると思われる。キャンパスの学食は一般に開放すればいいのにと考えたものの、セキュリティ上の問題もあり難しいのではなかろうか。

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NU茶屋町にレッド・カーペット。

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グランフロント・大阪駅方面を見る。グランフロントが出来てから、ビルに包囲されている感がすごい。ヨドバシカメラの横に、高層ビルのヨドバシタワーが建つという話を聞いたことがあるがいつ建つのだろうか。

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阪急梅田駅名物の3線同時発車を初めてみることが出来た。それも見下ろす形で。ここは、鉄道好きの間では結構有名らしく、阪急神戸線宝塚線京都線の電車が梅田駅を出て淀川を渡り十三につくまで、並走する。ということです。
 
江戸時代は何もなかった梅田の地であるが、明治時代に国鉄の梅田ステンショが出来た。それまでは、船場淀屋橋あたりが街の中心だった。いつの時代も交通の帰結点ができると街は発展するのだなあと思う。その昔、街の中心である淀屋橋船場にステンショが出来なかったのは、汽車の火が疎まれたらしい。国家の威信をかけて作られた東京駅は別として、地方の都市はそれまでの街の中心から少し外れたところに駅が作られた例が多いんじゃないかと思う。
 
今日はあつあつとへこたれながら、ボサノバの名盤ジルベルトのゲッツを聞いておりました。
ゲッツ/ジルベルト

ゲッツ/ジルベルト

 

 

グリーク〜ピアノ協奏曲

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八軒屋から望む風景。水辺のビル群の風景は、大阪で好きな景色です。画面中央部に写っているフェスティバルタワーも2期目が完成間近のよう。ツインタワーが計画だおれでなく、現実のものとなったのはよかったです。中之島やこの八軒屋は、水辺を散策できる遊歩道やカフェも整備されて、この辺をぶらぶら散歩するのも楽しいんじゃないでしょうか。基本オフィス街なので、土日に散歩すると混んでなくて幸せになれると思います。賑やかな道頓堀もいいけれど、そういえば、来週は天神祭・・・大阪に長年住んでおきながら天神祭には、まだ行ったことはないです。
 
今日はグリークのピアノ協奏曲を聴いておりました。リヒテルさんのピアノで。手持ちでは少ないSACDハイブリッド盤であります。なんともロマンチックな一大コンチェルトですね。動画でも聴いておりました。アリス・サラ・オットさんのものを添付しておこう。
 
 

山に夢中

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書店で雑誌を手にとって、読んでみた。老舗の登山雑誌。日本の山特集を組んでいて、ふむふむと読んでみた。8月11日が山の日になるということで、盛り上がっているようだ。私と言えば、山の日と言われてもふーんと思っていただけで、あまり感慨はなかったのだけど。盛り上がっているコミュニティは盛り上がっているのだなあ。まあ、休みの日が増えるのは嬉しいことです。
 
日本の登山史の記事を読んでいたのだけれど、大正時代に登山ブームがあったようで、その時の登山着を興味深く見ていた。男性の格好は想像の範囲内だったが、当時の山ガールは、セーラー服にズボンはいて運動靴を履く、水筒をタスキ掛けに、金剛杖。山でこうゆう子に出会ったら、かなりインパクトがあるので、びっくりするな。
 
近頃は登山に関するマンガや、本を読んでいた。
例えばしばらく前に公開された映画の漫画版。
神々の山嶺 文庫版 コミック 全5巻完結セット (集英社文庫―コミック版)

神々の山嶺 文庫版 コミック 全5巻完結セット (集英社文庫―コミック版)

 

 この漫画の主人公のモデルについて書かれたノンフィクション。

狼は帰らず―アルピニスト・森田勝の生と死 (中公文庫)

狼は帰らず―アルピニスト・森田勝の生と死 (中公文庫)

 

 

今時はネットでエベレストに登った人のブログなんてのも簡単に読めるのですね。しかし、冬期にアルプスやヒマラヤを登るというのは、とんでもなく過酷な世界です。私なんて春に六甲山登るのもしんどかったのに。
どんなに実績のある有名クライマーでも、すこし足を踏み外せば、何百メートルも滑落したり、雪山は雪崩遭難も多いし、生きて生還するのは運頼みなのだなあと思う。その老舗の登山雑誌を読んでいても、有名クライマーの遭難について追悼特集をしていたりして、ほんとガチな世界だと驚嘆した。私たちは文明に守られた心地よい世界にいるけど、むきだしの自然に死と隣り合わせの世界。なぜ、山に登るのか。そんなにしてまで。
 
・岩壁を登るのに1日で上りきれないときは、崖のちょっとした平場で簡単なテントをはって夜を過ごすことを知った。ビバークというらしい。高いところで足がすくむ(ぞわぞわとなる)私には絶対無理である。
・絶対に山に登ることはないと思う私でも、いいなあと思ったのは、大自然の中で食べること。リュックにしょって運んで、8000m峰の登山で食べるラ王、カレーはとても美味しそうである。桃の缶詰とか、そりゃもう、たまらん美味しいらしい。
・山ネタでブログを書くので、シュトラウスのアルプスでも聞かなあかんかと思ったけど、音数多いのは気分でないため、やめました。
 

バッハ〜無伴奏チェロ組曲

この休みに久しぶりに梅田をぶらついたのですが、まあ人の多いこと。バーゲン時期は人が多い。ヨドバシ、大丸と行ったけどどのフロアも人が溢れている。ここのところは、お客さんもアジア圏を中心としたいろんな国から来られていて、環太平洋的。時計売り場のカウンターは客も店員もお隣の国の方となっておりました。
 
大丸だけでも数多の服やがあるのに、梅田にはまだ阪急もグランフロントもある、あと地下街やら駅前ビルやらなんやらかんやら一体どれだけ服屋があるのか。これだけあって、やっていけるのはすごいことだなあ、と感心しておりました。

 

バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲)

バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲)

 

 

近頃はバッハの無伴奏チェロ組曲を聴いておりました。思えば無伴奏バヨリンはひたすら聞いていたけれど、チェロ組曲はそれほど聴いて無かったなあと。最近はチェロの胴鳴りを聴いているとたまらんです。鈴木秀美さんの演奏で聴いております。ハルモニア・ムンディの古楽ボックスに入っていたものです。
 
動画は別の方ですが、気に入っている部分なので、動画を貼っておこう。
今年の夏はフランス音楽に行くのはサジ投げて、古楽にいこうなかあと考える日々であります。フルートとか涼しげでよいかな。
 
 

プーランク〜3つのノヴェレッテ

梅雨の晴れ間で、いっきに気温が上がり、青々とした空を見ていると昼間にマーラーはもう聴けないなあといった感じでした。例年夏場はフランス音楽が涼しげでいいんじゃないかとひとりごちているものの、聞いてはいるもののそれほど馴染めず、毎年撃退されるを繰り返しております。
Piano Music Chamber Music

Piano Music Chamber Music

 

 今年はクラシック音楽のレンジを広げるべく、プーランクピアノ曲を聴いてみました。3つのノヴェレッテって曲。第2番のげんきな曲調は苦手ですが、第1番、第3番はしっとりして好みですねえ。動画を貼っておこう。

あっついなあと思いながらも、楽しく聞いていた曲たち。
キースジャレット ケルンコンサート 2c これが即興なんて信じられない、良い曲だなあ。
Playing for changeってアルバムからLove rescue me 元々U2の曲みたいですね。 
ガーシュイン ラプソディインブルー バーンスタインのどや指揮のソニーレーベル盤。
ジルベルトのゲッツ。ボサノバ・ジャズの名盤ですね。このアルバムが似合う季節になりました。

 

マーラー〜交響曲第8番

イギリスの国民投票は、私の予想としては、なんやかんやあっても残留で落ち着くのではないかと思っていたのだけど、離脱に決まったということで衝撃を受けた。イギリスは長い低迷の時を経て、金融という魔法の杖で、経済が強くなったと思っていたのだが、実態はグローバル資本主義で利益を享受していたのはごく一部の人だけだったということだろうか。

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昨日はがっつりと音楽を聴く時間があったため、自分にとっての無人島の一箱を取り出した。EMIのマーラー全集ボックス。例年のこの時期とくらべると湿気が少ない、空気もひんやりしている。マーラーのシンフォニーを聴いても暑苦しくないかもしれない。そもそも、セミがじーじーと泣き出すとマーラーの気分ではなくなる。夏場の間隙をぬってマーラーを聴く。
 
そのマーラー交響曲の中でもがっつり、がっつりした交響曲第8番を聴いた。テンシュテッド指揮、ロンドン・フィルハーモニック・オーケストラ。第1部はまさに音楽の大伽藍。第2部はオーケストラ付き声楽という印象があるのだけど、しっくり聴かせます。名演奏です。
 
くそ長い曲なので、第1部だけ貼っておこう。


Klaus Tennstedt & London Philharmonic Orchestra: Mahler's Symphony no.8 Part I 1991 (live)