大フィル定期に行ってきました。ぐぬぬ、すごかったっす。Bravo!マーラー最後の交響曲。もともとLoveな交響曲であるが、指揮者大植英次とオケの力をつよく感じた演奏でした。そして、大フィルの定期に行ってた人にとっては、2007年のキャンセルから待ちに待った9番。会場もこの時をまってたぜって感じのお客さんがいっぱい、満席、テンションもアゲアゲ。
第1楽章は、最初のハープがとろんとなった瞬間からああこれだマーラーの世界だと入り込んでしまう。この楽章にはものごとの滅びゆく前の一瞬の美しさを感じるのだけど、大植さんの指揮は独特の歌い回しで美しさを増幅させていたと思う。ためてためて、ゆったりと歌い上げていた。
第2、3楽章はCDを聴いている時はいまいち入りこめないんだけど、実演で聴いているととても面白いな。いろんな楽器が入れ替わり立ち替わり忙しい。ここでフルートえらい長く音出してるんだなとか、トライアングルすたんばってる姿に見入ってしまったり。第2楽章はコミカルな音楽ですね。第3楽章は灼熱の音楽、すぐ後にアダージョが来るので。
そして、第4楽章アダージョ。すばらすぃぃ。最初の主旋律の弦でノックアウトです。深みを感じる。人生のすいもあまいもこの旋律には込められている。大フィルの重心の低い演奏を聴いていたら、目の前の景色がスローモーションで流れていっているようなそんな気がした。おっさん泣かしてどーすんの。
第4楽章後半は、大植さん独特の演奏。ところどころで休止しまくり、音楽はぶつ切れ、弱音のみがコンサートホールを支配し、やたら遅く長い。こう書くとなんじゃそらという感じだが、これが意外とはまっているのです。もともと死の交響曲と言われているくらいだし、息も絶え絶えな感じはまったくおかしくない解釈でした。
音楽が消えゆき、残響が消え去ってからのち、30秒の沈黙。こんな長い沈黙は初めてでした。あのラストを聴いたら拍手は出来ないですね。お客さんんも完璧でした。写真はライブがはねて、え〜もんおがましてもらったわという感じの充実感に満ちたシンフォニーホール。
師匠レニーのアダージョで、脳内再現ちう。貼らせてください。