モーツァルト〜ピアノ協奏曲第23番
盆休みの間に映画を見た。
スターリンの死後、ベリアが失脚し、フルシチョフが権力を握る過程は興味があったので、まるで私のために作ってくれた映画なんじゃないかと思い、足を運んだ。
あと、独ソ戦(ロシア側から見れば大祖国戦争)の英雄 、ジューコフ・ゲオルギー元帥が重要な役割を果たすのも興味深く見入った。
ベルリンを陥落させた英雄も、ベリア追い落としに失敗すれば、命はないわけで、この時代のソビエトは、のるかそるか感がハンパない。
高みを目指すものが、戦いあうのは構わんとして、粛清がひどかった1937〜38年頃は、職業軍人、一般人も関係なしで密告に怯えながら暮らした。秘密警察に捕まると、拷問の末にスパイであることを自白させられ、強制収用所送りまたは処刑だ。
インクレディブルでインポッシブルな社会。
ショスタコービッチとかよく生き残ったなと思う。
映画の冒頭はコンサートのシーン、美貌のピアニストがモーツアルトの協奏曲を弾くシーンがある。
ショスタコの同級生のピアニスト、マリア・ユーディナが弾くピアノ協奏曲第23番。
スターリンがファンだったピアニスト。
このコンチェルトは録音されスターリンに届けられたという。
(指揮者がびびって、なかなか決まらなかったようだが)
だが、しかし、マリア・ユーディナは気骨の人で、スターリンを嫌っていた。
動画サイトにマリア・ユーディナの23番があるので聴いてみる。
第1楽章はどしどしと一音一音が力づよい。
第2楽章はぐっと心の中に入り込んでくる。
なかなかいいなあと思った。
Mozart. Piano Concerto № 23 in A Major, performed by Maria Yudina (1943)