1週間前の話ですが、佐渡やんオペラ行って来ました。今年はプッチーニのトスカ。会場は超満員で、テンションあげあげ。ことしはさすがにお笑い要素はなしで、どっしりとドラマを見せるオペラに仕上がっておりました。本公演は外人キャストと日本人キャストのヴァージョンがあるのだけど、私は日本人のバージョン。
蝶々さんとかミミとか、いろいろなタイプのヒロインを描いたと言われているプッチーニですが、トスカの場合はやられたらやり返すヒロイン。暴君スカルピアに痛恨のイチゲキを与えて、これがトスカのキスよとどや顔を決める。度胸の良さが魅力的。とは行っても警視総監のスカルピアの圧倒的な俗悪さが、お芝居のできを左右しますね。死してなお存在感を放つスカルピア。執行する銃は空砲ではなく、実弾だった。
プッチーニの甘美な音楽、これはほんまにドラマにピッタリよりそった音楽だ。ストーリーをドライヴする佐渡やんのタクト、やっと聴けたぜひゃっほー福井さんのテノール、地元出身並河さんのソプラノ、と良かったことはたくさんあるが、私としてはドラマに深く深く入り混んで行ったのが、一番。休憩を除くと2時間のオペラ、あ、という間におわてしまた。終演後、迫力あるなーという声がどこからか聞こえてきたけど、私もそう思った。
・演出がダニエレ・アバド。なんとクラウディオ・アバドの息子とか。本人は誰々の息子とか言われるのはとてもいやだろう。演出良かった。シンプルな舞台で、第2幕のトスカとスカルピアの駆け引きは、鏡を使って心理戦を強調していた。
・スカルピアの手下の衣装が何気にかっこいい。さすがはイタリアの演出チームであります。カヴァラドッシの処刑シーン。手下たちが照明の加減で、少しシルエット気味に気だるそうに立ち尽くす感じが、ジョジョ立ちで、かっこよろし。