八ヶ岳美術館

八ヶ岳美術館

また、信州建築の話ですが、八ヶ岳美術館というところにも行きました。設計は村野藤吾さん。箱根プリンスホテル日生劇場大阪新歌舞伎座、無くなりましたが心斎橋そごう本店などなどでおなじみの建築家です。八ヶ岳の中麓に抱かれた美術館を目指しJR中央本線茅野駅からタクシー飛ばします。

しばらく白樺の林を走った先に、以前本で見た事がある光景が見えてきた。

ちょっと、奥の方に回ってみると、ほんとに地形に合わせたような形で立っている。建設の際、木の伐採はあったのだろうが、なるべく林を残そうという思いが伝わってくる。軽く感動。

エントランス。村野藤吾はやっぱり有機的建築だ。エントランス横の壁がなんとも絶妙な曲線を描いていて入りたくなる。

内部空間。有機的空間極まる。天井のカーテンの奥から透過する柔らかい光。天井に面白い仕掛けをするのは、村野藤吾の特徴か?細胞みたいなセルが連続する空間。こういっちゃなんだが、なんかの巨大生物の体内にいるような気がする。わたしが消化されそうな気がする。

村野藤吾さんは開口部の魔術師。規格品全盛の今日では難しいのだが、美しいプロポーションの開口を作る(例えば最初の写真のファサード開口とか。)アクセントになっているのは、トップライト。レースの天井とあわせて魅力的な光を作っている。

なかなかたどり着くのは大変であったが、見といてよかったと思える建築だった。

このあたりは原村というところで、ペンションやら別荘が多い。まことちゃんハウスの赤白ボーダーハウスを見かけた。市街地で景観論争を起こしたことがあったが、この原生林の中で見ると景観にすごくマッチして見える。大自然の中ではヴィヴィットなのがあうのかもしれない。目からウロコでした。