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ワーグナー〜ワルキューレ


びわ湖ホールです。毎度のことですがここのホワイエにたつとびわ湖が一望できて、なんだか和むのであります。オペラ界てっぱんワルキューレに行ってきました。9月22日公演、沼尻竜典さん指揮、神奈川フィルと日本センチュリーの合同オケであります。歌手もオケもとっても良くて、大満足でした。ジークリンデは儚く、ジークムンドはクールで、ブリュンヒルデは強くて実際に腕力が強かった。自分でイメージしている内容にぴったりでした。ヴォータンはどっしりと充実の安定感。ヴォータン役のグリムズレイさんは、後から分かったんだけど、去年佐渡やんオペラでスカルピアを歌った人だった(あれも良かったなビバ俗悪)。沼尻さんのタクトとオケから生み出される香り立つ音楽。いやあ、人生初生ワルキューレ。堪能させて頂きました。

このワルキューレという作品は、1870年から上演されているのだけど、19世紀末や20世紀はじめに、頻繁に上演されていたって考えると、どえらいことだなと思うんですよね。第1幕の最後、ジークムンドとジークリンデのラヴ場なんて、今でもこれだけ人を熱狂させるのに、当時の観客の驚きはいかほどであったか。寄せては返し旋回を続けるオーケストレーションの熱気にうなされ、どれだけの人々が道を踏み外したか(現代でも?)。人生初の生キューレの音楽を浴びながらそんなことを考えていました。

ワルキューレのストーリーの肝は父と娘の別れでじゃないでしょうか。なんやかんやあるけど、父と娘の別れにストーリーが収束していきます。演出は父ヴォータンが娘ブリュンヒルデを罰する時のぐぬぬ感を高めるために、少女時代のブリュンヒルデを登場させていたと思います。しかし、最後がおしい。炎の音楽の途中で、場面転換ワルハラ城へワープ、ジークムンドが落胆しているシーンで幕。???。父と娘を際たたせるためなら、ファイアー・ミュージックで幕を落とすのが素直じゃないか。それにジークムンドはクールだからこそ印象に残る訳で、死んで巻かれているジークムンドは見たくなかったというのが本音です。まあ、ワルキューレってのはお客さんの思いが半端ないから、演出で定石とおりにやったら反応無し、思い切ったことをやったら容赦ないブーイングとなりがちです。まあ、なにかしてしまうのは芸術家としての業ですかね。