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近松門左衛門〜曾根崎心中

文楽 大阪


前から見たかった人形浄瑠璃を見に国立文楽劇場へ。ファースト文楽鑑賞であったが、演目も曽根崎心中で、私でも知ってる代表作であるし、オペラでいうといきなりボエームとか見る感じかな。当日券でチケット買いにいったんだけど、満席で補助席をなんとかゲット。会場に潜り込む。
 始まると、生玉、内本町、安土町、道頓堀と大阪の地名が連発。よくよく考えれば当たり前の事であるが、この物語は大阪の地に根ざして脈々と受け継がれてきた芸能だったのだなあと改めて認識する。物語は実際の心中事件を題材に、その1ヶ月後には公演を打ったという、なんという早業。かね(銀とかく、大阪らしく金ではなく銀)の貸し借りを発端として、俗悪九平次がだまし討ちし、徳兵衛は窮し、お初は気持ちを重ね心中へと向かっていく。話の発端がかねの貸し借りというのも、なんか大阪的、自由経済が躍動していた当時のリアル大阪ライフです。最初の生玉社前の段では、最初はなかなか入っていけなかったのだけど、俗悪九平次が出てきてからはすっと物語に入っていけた。どうも私は俗悪の役が好きみたい(この間のトスカといい)。
 最終の天神森の段、大夫、三味線がずらりと並んでの冒頭、「この世の名残、夜も名残。死に行く身をたとふればあだしが原の道の霜」には背筋がぞくぞくした。心中までの緊迫感あるシーンを見入ってしまう訳であるが、物語につっこんでも仕方ないんだけど、朝飯くえば変わるぞと。もちょっと待って夜が明けて、吉野家の納豆定食かコメダコーヒーのモーニングでも食べれば、すこしは気持ちは変わるぞとそんなことを考えていた。

・曾根崎心中はずっと近松の代表作だと思ってたけど、実は長らく上演されなくて、復活上演となったのは昭和の戦後に入ってからというのは意外だった。為政者からすれば、市井の人が心中ものに陶酔するのはよろしく思ってなかっただろう。
・曾根崎心中ブラタモリマップ。