MET〜ファウスト


年が明けて、大阪はえべっさんも終わり、だんだん通常運転になってきた。オペラが見たいとうずき出す。Metファウストを見に難波パークスへ、映画館でお手軽オペラはすっかり定着してしまった。人類文学の金字塔ゲーテさんのファウストはぜんぜん読んだことはない。グノー作曲のこのオペラはファウストの第1部を戯曲化したものの様です。メトロポリタンオペラのこけら落としファウストたっだとか。初めて、見たんですがストーリーが面白い。これがファウストか〜と思った次第です。ファウスト博士が悪魔メフィスト−フェレスとあの世での魂の服従を交換条件に契約し、マルグリッドという清廉な娘と恋におち、幸せになるかなと思ったら、世の中うまくは行かぬファウストは初志貫徹しなかった、身重のマグリットをほったらかし、悲劇が・・というすんごく大雑把にいうとそうゆう話であったかと思いました。

ファウストヨナス・カウフマン
マルグリット:マリーナ・ポプラフスカヤ
メフィストフェレスルネ・パーペ


最強布陣なんだろうが、メフィストフェレスのパーペが圧倒的。最強テノールのカウフマンよりパーペの怪演(怪唱と言うべきか)が印象に残った感じです。第2幕のメフィストフェレスは歌うは、踊るは、手品は披露するは、聖十字に対してはへたれである分かりやすさを証明するわ、まさに歌って踊れるコミカルな悪魔くん。この物語はキーはメフェストフェレスなんで、おいしい役回りである。


第3幕、ファウストとマルグリットの愛の2重唱はただただ美しい。マルグリッドは見てたらツンデレ娘なのかなと思っていた。もうちょっと、実況中継するとツンデレのちツン・・・デレデレだった。ファウストとマルグリッドがいい感じで幕が終わるかなと思ったら、メフィストフェレスの高笑いが、めちゃ芝居うまいなパーペ。


しかし、この演出でこころに残ったのは、第4幕、悪魔に包囲されたマルグリッドが地獄へと堕ちていくシーンだろうか。重厚な合唱の中繰り広げられるシーンで、メフィストフェレスの容赦ない攻撃じゃなくて口撃が。ここまでくるとメフィストフェレスは完全に鬼畜である。マルグリッドが堕ちる前の、キリストへの最後の祈り。目頭が熱い。

いいオペラでした。