安曇野ちひろ美術館

たまにはけんちくの話を書きます。タイトルが建築屋云々〜ですので。

今回、旅行で最も印象にのこったのは、安曇野ちひろ美術館で、建築家内藤廣さんの設計。そして代表作です。
行きの途中、JR大糸線からの安曇野の景色、北アルプスの眺めに心を洗われる。北アルプスは春霞みではあるものの、迫力ある姿を見せてくれている。最寄り駅からは美しい景色を見ながら、歩く。40分ぐらい。苦にならない。いや、ちょっと苦になった。で、自然に抱かれた形で美術館が見えてくる。

ちょー遠景で。どこにあるのか分かりにくいですが。自然の中に埋もれている。

犬もはしゃぐ屋外空間。(東立面)

エントランス

そして、内藤アーチ(かってに命名)が連続する内部空間。
四角があって、上に三角があるというのは、家の原初的な形態です。連続空間の中にいろんな機能が納められている。天井に存在感とか説得力があります。現代建築は機能が増えすぎてしまったために、天井の中に機能を押し込み隠した。でもここでは天井は屋根の機能とイコールです。隠すための天井はありません。

空調ダクトも照明も表しで、美しい。

比較的低い位置にあるコンクリート庇が、建築の形態を引き締めている。もちろん、日照など機能的な利点もありますが。

美術館は高い集中力を有するので、外の空気を吸う事が出来るとほっとする。ここは、寝る事の出来る回廊があり、高原の風を満喫することが出来ます。秋はちと寒い?

お茶。

いい建築というのは、いいけんちくのオーラが出ている物ですが、この建物は重苦しさが無く、自然に調和し、来訪者にこころの潤いをもたらしている。本当に幸福な関係を築いていると思います。
信州安曇野、松本は、いま「おひさま」ののぼりが多かったです。それと、岳という映画のロケ地みたいで、宣伝が多かったです。