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キャスリーン・フェリアーのリサイタル

クラシック音楽

しばらく前に、何気なく本屋で買ったドナルド・キーン著「私の大事な場所」を読んでいた。
日本文学の研究者が暮らした東京や京都での思い出を語っていく本だったが、
この本で歌劇場を取り上げた章があった。

著者はニューヨーク出身なので、メトロポリタンオペラに通っていたそうだ。
16ドルで16回公演が見ることが出来たらしい。
すばらしい。
当時は、フラグスタートとメルヒオール全盛の時代。
今みたいに航空機が発達していないから、歌手はシーズン中に移動できない。
そのシーズンその街にいる歌手が歌劇場の個性になる。
なっとくである。
今やMETは世界中の映画館で上映し、ベルリンフィルはインターネットでデジタル配信している。
音楽の世界も強者による囲い込みが始まっているのかもしれない。

その本で著者がイギリスに留学し、ケンブリッジキャスリーン・フェリアーのコンサートを聴くシーンがある。その表情はこの世の者とは思えなかったようだ。ほどなくしてフェリアーは若くしてこの世を去った。そして、キーン氏はフェリアーの数少ない録音の中でレコードでバッハ・ヘンデルアリア集を見事だと評していた。

私は、このCDを持っていて、読書しながらこうゆうところでつながるととても嬉しい。
このCDはワルター大地の歌を聴いてからフェリアーが気になり、それからディスクユニオンでたまたま見つけたので買ったものだった。
ボールト指揮、ロンドン・フィルハーモニック・オーケストラ。
聞き直してみた。
いい。
ヘンデルもバッハもいい。
ぬくもりを感じる。
1952年10月7日、8日にロンドンで録音された。
フェリアー最後の録音とのことです。

動画はキャスリーン・フェリアーの独唱で、ヘンデルメサイヤから、
私がとても気に入っている「良い知らせをシオンに伝えるものよ」


ちなみに「私の大事な場所」(と、いうか近場で好きな風景)
大阪ミナミの雑踏、夕陽ケ丘の坂道、ザ・シンフォニーホール前の公園、和歌山紀ノ川の風景、奈良飛火野の鹿群れる風景、明日香のなんでもない風景、京都鴨川さらさらというせせらぎの音が心地よい、洛北の散歩道、神戸六甲あたりで雨上がりの日かキーンと空気の凍てついた寒い日に見下ろす大阪湾の風景