ムクドリは巣立ち、カラスの子は地上におちる。
今年も家の近くで、ムクドリが巣をつくり、子が巣立っていった。
冬からムクドリのペアが良く家の近くに来て、ぎゅるぎゅる鳴いていたので、今年も巣を作るのかなと思っていたらそうなった。
卵からヒナがかえり、最初はぴーぴーとか細い鳴き声だった。
ちなみに巣は別敷地の使われていない建物の中にあるので、状況は聞こえてくる音で判断している。
そのうち、ヒナたちの鳴き声も、たくましく、うるさくなってくる。
親鳥の鳴き声も冬のぎゅるぎゅるではなく、ぎゃーぎゃーと怪獣のようになってくる。
はっきり言ってうるさい!
ムクドリというやつは、とにかく虫を大量に食べるので、昔は益鳥とされていたようだが、今は街路樹をねぐらにして、騒音と糞害で問題になっているという。
子育て終盤の親鳥たちの給餌ピッチは凄まじかった。
親鳥が飛んで行く方角から、あの公園に行っているのかなと想像したが、5分もたたずに戻ってくる。どれだけ、餌を見つけるスピードが速いんだろうかと思ってしまう。
子育ての最後、親鳥が隣の建物まで飛んで行って、巣にいるヒナに向かい、キーキーギャーギャーとどなり立てているのは、実にうるさかった!
たぶん、ヒナに向かって、「こら、おどれら、はよ飛ばんかい」とどなりつけているのだろう。そしてある朝、恐らく最後まで巣にいたヒナが、親鳥の激励を受けて飛び立っていく様を目撃してしまった。去年はちまちま飛ぶ練習をしていたが、今年は南の方角へ一気に飛んで行った。以来、ぜんぜん戻ってこない。
そのシーンを目撃して、まあ、素直に、感動しましたね。
BIRDER(バーダー)2016年7月号 スズメ・ムクドリ・ヒヨドリ
- 作者: BIRDER編集部
- 出版社/メーカー: 文一総合出版
- 発売日: 2016/06/16
- メディア: 雑誌
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私はバーダーか
身近にいる鳥として、カラスがいる。
この本を読んだが、面白かった。
ペアのカラスは縄張りを作るが、私の家はどうやらぐわあと鳴くハシボソ・カラスのペアの制圧下にあるようだ。
また、ある朝通勤途上の道にカラスがちょこんとおった。
人が頻繁に横を通るが、まったく御構い無しで、通行人を観察している。
私の方に向かって、ぐわあと鳴いた。
口の中が赤い。口の中は黒くないので、まだ子供だなと分かった。
本を読んだ成果が出た。
巣立ったものの、まだ飛べないので、地上にいるんだろうな。
その後、2日、通勤途上でカラスの子を目撃した。
植え込みのなかに潜って、首だけだしてきょろきょろしたり、
ひょうきんなやつである。
音楽は相変わらず聴いている。と、いうか音楽を聴いていないとやってられない。
フォーレのバイオリンソナタ、ブラームスのピアノトリオ、ブラームスの1番小沢征爾さんでなどなど。
金沢グルメ
正月明けに金沢に旅行に行った時、いろいろ食べてきた。
食べ物の感想に関してはボキャブラリーに乏しい私ではあるが、たべろぐ的な記事を書いてみる。
よそ者が金沢にきて、何か食べたいとなれば、まずは近江町市場だ。
海鮮丼狙いだ。何年か前金沢にきた時も、近江町市場に来て、海鮮丼を食べた。その後ラフォルジュルネに行って、ミッキーさん指揮のシューベルト冬の歌を聴いた。
andaantee.hatenablog.com
今回は近江町市場寿しというところに伺う。
- ジャンル:寿司
- 住所: 金沢市上近江町32-6
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- (写真提供:花梨りん)
これは良かった。特にのどぐろと名前を忘れたがエビがたまらんかった。金箔まで乗ってって、フォトジェニックでもある。
海鮮の脂のあとは、揚げものの油を注入する。近江町市場で売っているコロッケがもう、たまらんレベルで美味しかった。たしか、甘エビコロッケを食べたはずだ。
次の日の朝、金沢駅のパン屋さんでパンとコーヒーを頂いた。写真のパンも美味しかったのだが、流石金沢というべきか、パンの上にも金箔が乗っている。
あと、さすが加賀百万石の城下町と思ったのは、街中を歩くと、やたらめったら和菓子屋さんが目につくことだ。こんなに和菓子屋さんがあって、やっていけるのだろうかと思ったけど、お茶・茶道が盛んで需要が多いのだろうか。金沢駅などで、いろいろ試食させていただいたが、個人的にはこの定番の柴舟がたまらん。ピリッと生姜の効いた味がたまらんです。
鈴木大拙記念館の瞑想の空間で、昼ごはんはどんなんにしようかと考えていた。街で日常的に愛されている定食がいいなと思い、片町の宇宙軒食堂にやってきた。店に入ると地元の方が定番の豚バラ定食をがつがつと頬張っていて、がぜん期待が高まる。オーダーは定番の豚バラ定食にした。これは意外とあっさりしているつけだれと豚肉の組み合わせがたまらん。たまらんのです。
最後を締めくくるのは、ソフトクリーム。ヤマト醤油味噌の醤油ソフトへ。
本店はちょっと遠いところにあるが、観光地のひがし茶屋街に直売所があってソフトクリームが食べれるので便利。醤油の風味とソフトの甘さが、寒空をも吹き消す美味しさでした。これも、やっぱりたまらん。
www.yamato-soysauce-miso.co.jp
とまあ、1泊2日でさんざん食べたのであるが、あ〜、またいつか同じものを食べたいなと思い、幸せな気分で金沢を出発することができた。
金沢の鈴木大拙記念館
正月明けに金沢に旅行に行ってきました。ブログ記事を書くのに大分時間が経ってしまった。観光名所に、美味しい食べ物、いろいろ満喫したけど、素晴らしい建築にも巡りあえた。感銘を受けたのは、谷口吉生設計の鈴木大拙館だ。
谷口吉生は美術館建築の第1人者だ。彼が作り出すシンプルで静的な空間は私の好みでもあり、東京上野の法隆寺宝物館、豊田市美術館、丸亀市の猪熊弦一郎現代美術館などを見てきた。最近はやりの建築はぐねぐね・ガタガタしたものが多いが、まあそれはそれで良いのだけれど、谷口建築はもう圧倒的にユーグリッド幾何学の世界だ。その空間に身をおくと、XYZ軸がびしっと通っていて、背筋が伸びる。いくたびにその徹底的なシンプルさに、すげえとか、うおおとか頭の中が中2になるのである。
今回は鈴木大拙館であります。小規模な建物であるし、行くまでは、旅行のついでに谷口建築を久しぶりにみるかあ、ぐらいの軽い気持ちだった。
もはや観光名所となってしまった金沢21世紀美術館から、10分ほど南にとことこ歩いて行くとたどり着く。前日に金沢に入ったのだけど、北陸の冬の日らしい、どんよりした天気だった。それが、この日の朝この鈴木大拙館にいく間に晴れ間が出てきて清々しい気分になった。
この建築はシンプルな展示空間やそれのアプローチも確かに素晴らしいのだけど、一番目を奪われたのは水盤とそれを取り巻く思索の場所だ。
朝いちばんに、気持ちの良い太陽光線が差し込んできて、水盤に美しい世界が映し出されていた。目の前に見える建物は、思索のための空間だ。そして水盤のまわりを思索のための回廊がとりまいている。
水盤きわの壁が良い視覚効果を出している。
水盤に写る風景を見ていると、なにやらあちら側の世界に行ってしまいそうな気持ちになる。
ここを訪れる人は皆、物思いにふけっているように見える。
私も早速、この思索の空間で物思いにふけってみる。
まあ実際考えていたことは、たいした内容ではなかったが、この空間の中で過ごす時間は悪くないと思った。
軽い気持ちで行ったのであるが、この水盤廻りで有意義な思索の時間を過ごさせていただいた。こぶりだけど、とても気持ちのいい建築だ。観光にもいいんじゃないだろうか。金沢21世紀美術館からも近いし、あちらはポップな世界だけど、それと対比的な鈴木大拙館で静謐なひとときをもつのもいいんじゃないだろうか。
バッハ〜マタイ受難曲
すっかり暖かくなりました。
桜も咲いている。でも、雨。
毎年、暖かくなってくるとバッハのマタイ受難曲が聴きたくなる。
教徒ではないんだけど。
マタイは刷り込み版がヘレベッヘの最初の盤だった。
タワーで輸入盤がお安かったので、手に入れた。
さらさら、綺麗なマタイでありました。
ですので、以後も古楽器系で聴いていることが多かった。
鈴木御大のライブにも行ったなあ。
ああ、マタイはよいなあ、と思ってから、
味をしめて次に手にしたメルゲルベルグ盤。
ヘレベッヘとは真逆のずっしり、どっしり。
打ちのめされた。
重くて、重くて。
以来、2度と聴いていない。
これは、どうかと手に入れたクレンペラーのバッハ宗教曲ボックス盤。
でも、聴くと立ち直れないんじゃないかと思いこみ。
なぜか、1度も聞いていない。
今はミュンヒンガー盤を聴いている。
古楽器系とは違うこの、おおらかなテンポも心地よい。
ドラマを感じる。
アリアが沁みますね。
名アリアの神よ憐れみたまえを貼らせてください。
Marga Höffgen "Erbarme Dich, mein Gott" Matthäus-Passion
LA LA LAND〜オスカーピターソンのWe Get Requests
映画ララランドを観た。
それなりに楽しめた。
ストーリーどうのこうのというより、ジャズが大々的に取り上げられていて、映画の至る箇所にジャズが彩られているのが気持ちよかった。それに、主演のエマ・ストーンさんもスパイダーマンとかバードマンをいままで見ていて、お気に入りですし。
映画が終わった時のセットリストを眺めていたら”Japanese Folk Song”とあり、なんじゃろなと思っていたら、滝廉太郎作曲の荒城の月のようだ。荒城の月はフォークソングなのか。映画の中でたびたび演奏されていたり、レコードから流れていたり、この旋律は日本人としてはぐっとつかまされるものがありますなあ。
映画からの帰り道、久しぶりにジャズを聴きたくなった。そして、今日ピアノ・トリオを聴こうかと思った。わたしの数少ないストックの中から、オスカー・ピターソンのリクエストを取り出した。トランジスタと真空管のハイブリッド・アンプの電源をONにして少し暖める。逸品館というところで手に入れたプレーヤーの上にCDをのせる。スタートボタンを押す。ああ、ここは望ましくはターンテーブルに重量版LPをのせて、針をおとすといきたいところだが、まあ贅沢は言ってられない。アナログで聴くジャズは絶品であることはわかっているけど。
私にとっては非常に聴きやすく、入っていきやすいアルバムだ。いわゆる、濃いジャズが好きな人にとっては、物足りなかったりするんですかね。このアルバムでお気にの曲は、You look good to me。何回も何回も聴いている。これまた、口当たりの良い、さらりと入りやすい曲です。
- アーティスト: Oscar Peterson
- 出版社/メーカー: Universal UK
- 発売日: 2009/11/06
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Oscar Peterson Trio - You Look Good To Me
愛を諦めて世界征服しますか?ワーグナー〜ラインの黄金、びわ湖
びわ湖リングに行ってきた。
静かな湖畔は気持ちが良い。比叡山はうっすらと雪化粧している。対岸は大津京だな。古代にここに遷都した理由に思いをはせてた。飛鳥の方角からすればどう見ても、背水の陣という感じがする。たしか天智天皇の次の代の内乱で、大津京は攻め込まれて陥落だったはず。
盛者必衰ですな。ドイツ文明圏が誇る一大大河ドラマ、ニーベルングの指輪からラインの黄金を見に行ってきた。私にとっては、初めて見る生「ラインの黄金」だ。大人げなくわくわくとしていた。わくわくという言葉は使いたくなかったが、他にはてはまる言葉を思いつかない。
演出は映像を駆使しているが、とても素直な解釈で好感が持てた。
指輪をめぐる世界征服をかけた争奪戦のお話。こうゆう楽劇をオペラ好きのメルケル首相とかにこにこしながらみているのかな。この次のワルキューレはジーク兄妹の燃え立つような情事や、父娘の別れなど、愛ってところに焦点が言ってるけど、こちらはただのすけべが一転、愛を諦め世界征服にのりだすという。かたや神さんはとんでもないものを抵当に入れて、ヴァルハラ城を建設したものの、支払いににっちもさっちもいかなくなる。神さんももと住んでいた家もあったろうに、遷都しなければよかったね。
フライアの人質解放のシーン。人質をかたどり、宝を積み上げる。ここに隙間がある、宝で埋めろとか。ディテールがえぐい。ワーグナーはえぐい。
終始、支払いどうしようとか、身代金渡せだとか、強制労働とか、ヴォータンが指輪に未練たらたらとかそんなこと言ってる楽劇を見に、お客さんがしゃんとした身なりで行くのは、なかなか面白いことだなあと思った。
来年はワルキューレ。東京に比べればリングとかワーグナーが公演がほとんどない関西であるが、お楽しみが1年後にやってくるのも悪くない。
・ぜんぜん楽劇とは関係ない話だが、映像で投射されていたヴァルハラ城のてっぺんにジオデジック・ドームが乗っている。バックミンスター・フラーという知の巨人みたいな人がデザインしたやつだ。
Make: Japan | 塩ビパイプで6メートルの実用ジオデシックドームを作る
神話の時代の要塞に、ジオデジックドームかあ。なかなかモダンな発想だ。演出サイドに好きな人がいるのか。巨人兄妹が意外とデザイン好きという設定か。
・びわ湖に行った後は、京都たかばしのラーメン。今年は2軒あるうちの新福菜館へ。スープの色は濃いけど、意外とあっさりしているのです。
カラヤンのクリスマスアルバム
正直、クリスマスがどうのこうのうという年でもないが、この日常をすこしでも盛り上げるべく、今年もカラヤンのクリスマス・アルバムを聴いている。
このジャケットは、オーストリアの自邸の近くを散策しているカラヤンを写したものだろうか。
アダムさんのO Holy Nightはいい曲だ。この曲もクリスマスの定番なんだとか。
去年もブログに書いたが、コレッリのPastorale Largoも好みだ。レスピーギのSicilianaもなかなかよろしいなあ。
しかし、やっぱりこれかなあと思ったのは、メンデルスゾーンのHark! The herald Angels Sing。耳に馴染んだクリスマス・ソングながら、ストンと心に入ってくる。
さすがは、メンデルスゾーン。性格も良さそう。
Felix Mendelssohn Bartholdy: Hark the herald angels sing / ChorAltona
皆様も良いクリスマスを。。。